今後の企画展
2025年12月13日(土) - 2026年5月10日(日)
十和田市現代美術館では、北海道を拠点とする彫刻家 国松希根太(くにまつ・きねた)の美術館での初の個展を開催します。
国松は00年代初頭より、北海道中南部の白老から内陸に位置する飛生(トビウ)の旧小学校を改造した「飛生アートコミュニティー」を拠点に活動してきました。北の大地で長い年月を経て独自のフォルムを形成した木々と出会うことで作品を制作、近年はとりわけ地平線や水平線、山脈、洞窟などの風景の中に存在する輪郭(境界)を題材に彫刻や絵画、インスタレーションなどを発表しています。木の表面や内部に鑿(のみ)や火を入れたり、鉱物や雪など大地の素材に向き合い生まれる作品は、国松と自然との一期一会のコミュニケーションといえるでしょう。飛生アートコミュニティーではまた、敷地内の森を守りながら、2009年より飛生芸術祭を開催してきました(今年は9月6日(土)−14日)。そして国松は、2010年代半ばより近隣のアヨロと呼ばれる地域を中心に土地を探索するフィールドワークをAyoro Laboratoryとして展開しています。
本展は、国松の代表的な作品に出会っていただくまたとない機会となるだけでなく、彼が十和田の自然と出会うことで生まれた新作を披露する初の機会となります。
加えて、国松の多岐にわたる活動−飛生アートコミュニティーやAyoro Laboratory、そして父の國松明日香(彫刻家)や祖父の国松登(画家)へと連なる作家の系譜−も紹介いたします。
本展を通して、作品からの息吹、国松の息吹、大地の息吹、そして時間や空間を介して人々に連鎖しつづける創造の息吹を感じていただければ幸いです。
国松 希根太(くにまつ・きねた)
1977年北海道生まれ。多摩美術大学美術学部彫刻科を卒業後、2002年より飛生アートコミュニティー(北海道、白老町)を拠点に制作活動を行なう。また Ayoro Laboratory (2015-)の活動を立石信一(現:国立アイヌ民族博物館学芸主査)と展開、飛生アートコミュニティーで結成されたアーティスト・コレクティブ THE SNOWFLAKES (2020-)の一員としても活動を続ける。近年の主な個展に「国松 希根太展 TERRA」(t.gallery、東京、2024)、「国松 希根太展 地景を刻む」(飛生アートコミュニティー、白老、2022)が、グループ展に「ART for EXPO 2025」(夢洲、大阪)、札幌国際芸術祭2024(未来劇場[東一丁目劇場施設]、札幌)がある。昨年『国松 希根太 この地で息吹く』(求龍堂、2024)を刊行。
https://kinetakunimatsu.com/
名称
会期・日時
会場
十和田市現代美術館
開館時間
9:00 – 17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(祝日の場合はその翌日)
観覧料
一般1800円(常設展含む)、高校生以下無料
主催
十和田市現代美術館
企画
四方幸子
《WORMHOLE》
2025年
約390×120×100cm
木(ミズナラ)
2025年日本国際博覧会 展示風景
展示場所:コネクティングゾーン ポップアップステージ北 空の広場
撮影:忽那光一郎
《WORMHOLE》
2024年 札幌国際芸術祭2024 展示風景
撮影:藤倉翼
《COSMOS》
2024年
90×90cm
板にアクリル絵の具/鉄
撮影:瀧原界
《ICE CAVE》
2024年
40.5×36.5×30cm
木(センノキ)に胡粉
撮影:瀧原界
《GLACIER MOUNTAIN》
2024年
17.5×60×29cm
木(イチイ)に胡粉と土
撮影:国松希根太
《HORIZON》
2017年
80×180cm
板にアクリル絵具と木炭/鉄
撮影:瀧原界
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