過去の企画展
2024年7月6日(土) - 9月8日(日)
十和田市現代美術館のサテライト会場spaceで、尾角典子の個展を開催します。
ロンドンと京都を拠点に活動する尾角は、世界を構成する法則や超越的な力に関心をもち、哲学、宗教学、量子力学、情報熱力学などの理論体系に、神話、伝説、オカルトといった民間伝承の物語や思想を織り交ぜ、コラージュ、アニメーション、VRやAIといった現代のテクノロジーを複合的に用いて制作している作家です。
本展では、人型にくり抜かれたパネル、マイク、2台のモニターとそれに接続された画像生成AIなどを用いたインスタレーションが展示されます。鑑賞者は、自分の名前をマイクでAIにインプットすることで、モニターに表示されている「space」を変化させることができ、その結果をインスタグラムで拡散することを促されます。
この作品は、小説家ウィリアム・バロウズの「Language is a virus from outer space(言語は外部から来たウイルス)」という一節に着想を得て制作されています。外部から来た鑑賞者が入力した固有の名前によってモニターの「space」が変化することは、固有の遺伝子を持ったウイルスが宿主に侵入し、自らが作った新たな細胞を放出することに見立てられているのみならず、言語が人間のコントロールを超えて影響力を持つことと重ね合わされています。
ウイルスの生態に着目し、人間に影響を与える言語やデジタル情報技術との類似性を見出すことで、尾角の得意とする領域横断的な視点が提示されます。
【サテライト会場space】
十和田市現代美術館では2022年度より、アーティスト目[mé]による空き家を展示室へと改装した作品「space」を、美術館のサテライト会場として運営しています。ホワイトキューブの展示室が突如まちなかの建物の2階部分に出現したかのような「space」を拠点に、若手アーティストによる実験的な表現を紹介しています。
1979年京都生まれ、ロンドンと京都を拠点に活動。チェルシー芸術大学でファインアートメディア学士、英国王立芸術大学にてアニメーション修士を取得。コラージュを用いたアニメーションを基軸にパフォーマンス、インスタレーション、VRなど異なる媒体を使用し、移りゆく事物から現れる多面性を探る。主な展示やパフォーマンスに「THAT LONG MOONLESS CHASE / その長い月のない追跡」(金沢21世紀美術館、2023)、「VOCA展2019」(上野の森美術館、東京)、「The Interpreter」(QUAD Gallery 、イギリス、2015) など。主な受賞歴に、オーバーハウゼン国際短編映画祭インターナショナルコンペティション部門へのノミネーション (2016)、オタワ・アニメーション国際映画祭最優秀ミュージック・ビデオ賞受賞(2011)など。 https://norikookaku.com
名称
会期・日時
会場
space(十和田市現代美術館サテライト会場)
住所:青森県十和田市西三番町18-20
開館時間
10:00 – 17:00
休館日
月曜日(祝日の場合はその翌日)
※十和田市現代美術館の休館日に準じます。
観覧料
無料
主催
十和田市現代美術館
助成
令和6年度 文化庁 文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光推進事業
後援
青森朝日放送、青森テレビ、青森放送、エフエム青森、デーリー東北新聞社、東奥日報社、十和田市教育委員会
企画
中川千恵子
展覧会関連Instagram
鑑賞者は、自分の名前をマイクで画像生成AIにインプットすることで、モニターに表示されている「space」を変化させることができます。変化された「space」が投稿されているInstagramのアカウント(@towada_space)はこちら。
ご来場の皆さまへ お願いと注意事項
近隣のご迷惑となる行為はお控えください。
・会場以外への私有地への侵入
・路上駐車
・騒音を立てないようご配慮ください(大声、音楽など)
・隣地や敷地内へゴミのポイ捨て
・プライバシー保護の為、撮影の際はspace以外が映らないようご配慮ください