過去の企画展
2018年10月27日(土) - 2019年3月24日(日)
毛利悠子は身近なものを用いて電気や磁力など目に見えないエネルギーの存在を可視化するインスタレーション作品を制作してきた。美術館での初個展となる本展では、アンモナイトからケーブルのより線など、大小さまざまな渦や回転、螺旋の運動から着想を得て、空間をダイナミックに活かした音響彫刻を発表。天体の運行や社会の変容を象徴的に表現し、毛利の新しい試みとなった。さらにシルクスクリーンや映像の制作、現場で即興的に生みだされるインスタレーション、まちなかでの作品展示も行われた。
Photo image:
《墓の中に閉じ込めたのなら、せめて墓なみに静かにしてくれ for V.T. 》展示風景
2018年 撮影:小山田邦哉
【紹介ムービー】
1. 新作インスタレーション
作家が追い求める「永遠の運動体」のイメージに近づくため、これまでにない新しい方法論で、インスタレーションを展示します。
2. 日本初公開の大型彫刻作品
1.の作品と関連する、音響を使った大型彫刻作品が日本で初公開されます。
3. 毛利悠子の実践を様々な角度から紹介
即興で作られるインスタレーション、映像、版画作品の他、美術館を飛び出し街中にも作品が展示されます。展示室や街中を移動しながら、作家の思考を追体験していただけます。
「毛利悠子 ただし抵抗はあるものとする」展覧会カタログを刊行いたします。
毛利悠子美術館初個展の展覧会カタログ!
新作の大型音響彫刻によるインスタレーション写真をはじめ、全作品の展示風景写真、
多彩な執筆陣による論考、毛利悠子さんのロングインタビューを収録した充実の内容です。
[図録]
「毛利悠子 ただし抵抗はあるものとする」
サイズ:A5サイズ(100ページ程度)
言語:日英バイリンガル
発行:有限会社 月曜社
販売価格:2,200円(税別)
発行日:2019年2月17日(日)
論考執筆者:
エマ・ラヴィーニュ(ポンピドゥ・センター・メッス 館長)
畠中 実(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 主任学芸員)
金澤 韻(本展覧会キュレーター、十和田市現代美術館 学芸統括)
ロングインタビュー:
聞き手:金澤 韻+島貫 泰介(美術ライター、編集者)
デザイン:佐々木 暁
撮影:小山田 邦哉
取り扱い:十和田市現代美術館カフェ&ショップ「cube」、全国主要書店
ただいま、カフェ&ショップcubeにて、ご予約を受け付けております。
郵送をご希望の場合は、本体価格(2,000円+税/予定)+レターパックライト代(360円)にて承ります。
お問い合わせ:
十和田市現代美術館カフェ&ショップ「cube」
Tel: 0176-22-7789
E-mail: cube@towadaartcenter.com
毛利 悠子 もうり・ゆうこ
1980年生まれ。美術家。磁力や重力、光など、目に見えず触れられない力をセンシングするインスタレーションを制作。2015年、アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)のグランティとして渡米。「リヨン・ビエンナーレ 2017」(フランス)、「コーチ=ムジリス・ビエンナーレ 2016」(インド)、「ヨコハマトリエンナーレ 2014」(神奈川)ほか国内外の展覧会に多数参加。2015年に日産アートアワードグランプリ、2016年に神奈川文化賞未来賞、2017年に第67回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。
作家メッセージ
先日、十和田湖から奥入瀬渓流を徒歩で散策した。約20万年前の噴火でできた屏風状の崖から落ちた岩が、川の流れや滝を遮るようにゴロゴロしていた。岩には鮮やかな緑色の苔がびっしりと生え、樹木やキノコも育っている。どう見ても静止しているようなその岩は、しかしガイドさんによると、何百年もかけて今も転がりつづけている状態なのだという。超スローモーションで再生されるライク・ア・ローリング・ストーン! 岩は、毎秒5.2トン流れる水と抵抗することで、細やかな水の泡を生み出していた。
十和田市現代美術館で開かれる「ただし抵抗はあるものとする」展は、光栄なことに、私にとって美術館でのはじめての個展になる。私はこれまで、流動的な状態を抽出し、動きとエネルギーについての作品を制作してきた。ここでは、螺旋や回転体にフォーカスした新作を作る予定だ。
近現代美術史をたどれば、デュシャン《階段を降りる裸体》、タトリン《第三インターナショナル・タワー》、スミッソン《スパイラル・ジェッティ》、あるいはトニー・クラッグの彫刻など、多くの作品に螺旋や回転体が表現されている。彼ら表現者は動きとエネルギーについて考えてきたのではないか、そして彼らの表現は今も転がりつづけている状態なのではないか。この展覧会は、その延長線上にある一つの問いになればと望んでいます。
名称
会期・日時
会場
十和田市現代美術館
十和田市 商店街
開館時間
9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(祝日の場合はその翌日)
12月25日(火)− 1月1日(火)は年末年始休館
観覧料
企画展+常設展セット券1200円。企画展の個別料金は一般800円。
団体(20名以上)100円引き。高校生以下無料。
主催
十和田市現代美術館
助成
公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団
機材協力
フォスター電機株式会社
後援
東奥日報社、デーリー東北新聞社、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、十和田市教育委員会
キュレーター
金澤 韻(かなざわ こだま)