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2025年9月14日(日) 15:00 - 16:00
十和田市現代美術館では、美術館のもつ国内外のネットワークを活かし、市の施設やまちの人々や組織と有機的に連携するプロジェクト「げんび meets!」を開始いたします。トークやパフォーマンス、上映会などを介して、多様な人々が出会い未来の創造へとつながる場を開き、十和田の文化をいっそう活性化していきます。
記念すべき第1回として、イタリアのサウンドアーティスト、ファビオ・ペルレッタによる、屋外で参加者が音を体験するサイト・スペシフィックなパフォーマンス (*1)「蔦がつたう壁の庭に、たたずんで」とアフタートークを開催します。
本パフォーマンスは、「We stand still here」を冠したシリーズとして2024年に国際美術展ヴェネチア・ビエンナーレで初演された「We stand still here, among the mulberry blossoms(桑の木の花に囲まれ、たたずんで)」に続き、十和田での開催が2回目となります。
イタリアでは「デュオ」というテーマを設け、桑の花が咲く庭で人々が対になり向き合うなか、ペルレッタが回遊しながら木片、石、フルートなどで微かな音を発していきました。十和田でのパフォーマンスは、ペルレッタが敬愛する建築家、安藤忠雄設計の十和田市民図書館の前庭で開催します。ペルレッタは今回、壁をつたう蔦に注目し、タイトルを「蔦がつたう壁の庭に、たたずんで」としました。ペルレッタが発する音とともに、自然のなか、各人が知覚を開き、聴くというプロセスをともに体験するかけがえのないひと時となることでしょう。
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(*1) 「特定の場所に合わせて」制作・実施されるパフォーマンス
名称
会期・日時
タイムテーブル
15:00-15:30 パフォーマンス
15:30-16:00 アフタートーク
・出演者:ファビオ・ペルレッタ(アーティスト)、四方幸子(十和田市現代美術館館長)※日英通訳あり
定員
10~20名程度 ※予約不要・直接お越しください。
参加費
無料。見学歓迎です。
※雨天決行
会場
十和田市民図書館 前庭(〒034-0081 青森県十和田市西十三番町2-18)
共催
十和田市現代美術館、十和田市民図書館
助成
イタリアン・カウンシル
企画
十和田市現代美術館
ファビオ・ペルレッタ(Fabio Perletta)
イタリアのサウンドアーティスト、時間と空間、存在と場所、沈黙とノイズ、言葉と意味などの関係を、人々が参加するパフォーマンスを通して探索する。作曲、パフォーマンス、サイト・スペシフィック・インスタレーション、楽譜やオンラインプロジェクトも展開。ヨーロッパを中心にオーストラリアや日本などでも作品を披露。複数レーベルから音をリリース(Room40, LINE, Dinzu Artefacts, aufabwegen,Superpang, Granny Recordsに加え自身の901 Editions.)。イタリア中部ペスカーラのISIA大学でサウンドデザインとマルチメディア言語領域の教授を務める。古いものから新しいものまで日本文化に造詣が深く(茶の湯、陶芸、アニメ、アート、音楽、テクノロジー、デザイン)、2015年以降これまで数回来日し、各地でパフォーマンスを展開(東京、京都、大阪、奈良、長崎、福岡、和歌山、鹿児島、葛西、取手、つくば)。
https://fabioperletta.it
9/14(日)の午後、気持ちの良い日差しと風が吹くなか、ファビオ・ペルレッタさん(@fabioperletta )のパフォーマンスは行われました。
安藤忠雄建築の蔦が生い茂る壁を正面にして、小さな折り畳みイスが芝生の上に並べられています。
そのエリアを囲むように、ファビオさんが地面に複数の小さなスピーカーを設置しました。
小さな椅子に参加者が座り、見学する人たちが近くに集まってきてくれました。
スピーカーから音が出始めてパフォーマンスは始まります。
ファビオさんが手にした楽器を奏でたり、道具をこすったりぶつけたりする度に、スピーカーから出る音が変化していきます。
風が吹くと木々が葉擦れの音を立て、近くの野球場からは応援の太鼓の音が聞こえます。
そして、ファビオさんは、自身の姿を参加者に見せないように移動し、スピーカーの置き場所を変えていきます。
パフォーマンスの最中は、徐々に音の感じ方が変化していきました。
およそ30分間のパフォーマンスを経て、ファビオさんと四方館長のトークが始まりました。
ファビオさんの紹介や今回のパフォーマンスに至る経緯や解説などが話されました。
参加者からパフォーマンス時に大切にしていることに関して質問があり、あっという間に30分が過ぎました。
参加者のお一人に感想を伺ったところ、「まるで瞑想しているような不思議な体験でした。目をつぶって風の音やスピーカーからの音を聞きながら、どんどんいろいろな考えが思い浮かぶのですが、その考えを手放してもいいような、一方でその考えを続けてもいいような。とても自由な時間に感じました。」といったことをおっしゃっていました。
今回のパフォーマンスには参加者14名、見学者22名の方がいらしてくださいました。
ご参加ありがとうございました。
また、図書館の館長をはじめスタッフのみなさま、ご参加とご協力ありがとうございました。
今後も、十和田市現代美術館では、美術館のもつ国内外のネットワークを活かし、市の施設やまちの人々や組織と有機的に連携するプロジェクト「げんび meets!」を展開してく予定です。
トークやパフォーマンス、上映会などを介して、多様な人々が出会い未来の創造へとつながる場を開き、十和田の文化をいっそう活性化していきますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。