過去のイベント
2022年12月11日(日) 16:00 - 17:00
十和田市現代美術館館長 鷲田めるろがモデレーターとなり、鈴木ヒラク、藤本壮介が十和田市で作品、建築について解説・対談
十和田市内に2022年9月に開館した十和田市地域交流センターの外壁に、アーティスト 鈴木ヒラク氏による縄文の環状列石をモチーフとした壁画作品《光と遊ぶ石たち》が設置されました。これを記念し、鈴木ヒラク氏と地域交流センターの設計を手がけた藤本壮介氏による対談イベントを開催します。モデレーターは十和田市現代美術館館長 鷲田めるろが務めます。鈴木氏、藤本氏が、十和田市でそれぞれ作品、建築について解説し、作品と建築の関係、繋がりについて語る大変貴重な機会となります。
対談の様子はオンライン配信します。
ご視聴される方は、事前に以下URLよりお名前、メールアドレスをご登録ください。ご登録メールアドレスに視聴URLが送付されます。
▶︎ https://us06web.zoom.us/webinar/register/WN_S0LtdoIKReGH-eQoGlCQPw
画像:鈴木ヒラク《光と遊ぶ石たち》 撮影:小山田邦哉
名称
会期・日時
会場
オンライン配信
対象
どなたでも
料金
無料
主催
Hiraku Suzuki Studio
協力
十和田市現代美術館
鈴木ヒラク(すずき・ひらく)
1978年生まれ。アーティスト。東京芸術大学大学院修了後、シドニー、サンパウロ、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンなどの各地で滞在制作を行う。ドローイングを線の発掘行為と捉え、平面・彫刻・映像・インスタレーション・パフォーマンスなど多岐に渡る手法を通してその拡張性を探求している。これまで金沢21世紀美術館
(石川、2009)、森美術館 (東京、2010)、ヴロツワフ建築美術館 (ポーランド、2015)、銀川現代美術館 (中国、2016)、MOCO Panacée (フランス、2019)、東京都現代美術館 (東京、2019-2020)など国内外の美術館で多数の展覧会に参加。音楽家や詩人らとのコラボレーションも数多く手がける。2016年よりドローイング研究のためのプラットフォーム「Drawing Tube」を主宰。作品集に『GENGA』(2010)、『SILVER MARKER-Drawing as Excavating』(2020) などがある。現在、東京芸術大学大学院准教授。
藤本壮介(ふじもと・そうすけ)
1971年北海道生まれ。建築家。東京大学工学部建築学科卒業後、2000年藤本壮介設計事務所を設立。
2014年フランス・モンペリエ国際設計競技最優秀賞(ラルブル・ブラン)に続き、2015、2017、2018年にもヨーロッパ各国の国際設計競技にて最優秀賞を受賞。国内では、2025年日本国際博覧会の会場デザインプロデューサーに就任。2021年には、飛騨市のCo-Innovation University(仮称)キャンパスの設計者に選定される。主な作品に、ブダペストのHouse of Music(2021年)、マルホンまきあーとテラス 石巻市複合文化施設(2021)、白井屋ホテル(2020)、L’Arbre Blanc(2019)、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013(2013)、House NA(2011)、武蔵野美術大学 美術館・図書館(2010)、House N(2008)等がある。
©️David Vintiner
鷲田めるろ(わしだ・めるろ)
1973年京都市生まれ、十和田市在住。十和田市現代美術館館長。東京大学大学院修士(文学)修了。
金沢21世紀美術館キュレーター(1999―2018)を経て現職。第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館キュレーター(2017)。あいちトリエンナーレ2019 キュレーター。著書に『キュレーターズノート 二〇〇七ー二〇二〇』(美学出版、2020)、主な論文に「アートプロジェクトの政治学 「参加」とファシズム」(川口幸也編『展示の政治学』水声社、2009)、「鶴来現代美術祭における地域と伝統」(『アール 金沢21世紀美術館研究紀要』五号、2016)、「顕彰か検証かーー「表現の不自由展・その後」をめぐって」(川口幸也編『ミュージアムの憂鬱』水声社、2020)など。
撮影:小山田邦哉
環状列石と惑星の軌道を主題とした光のドローイング
十和田市の近くには、縄文時代に造られた小牧野と大湯という日本を代表する二つの環状列石(ストーンサークル)が現存しています。環状列石は、通説として、太陽など天体の動きと向き合う場であり、人々が集う祭祀の場であったとされます。こうした古代の記憶が、壁画を通して時代を超え、現代で人々が集う交流センターという場所性と響き合います。
またタイトルである「光と遊ぶ石たち」の「石」は環状列石のみならず、宇宙空間に浮かび太陽の光を反射する岩石、つまり惑星のことも意味しています。星の軌道や星座、あるいは日時計などを想起させる線が、石と石をつなぎ、楽しげなリズムを生み出しているかのようです。
壁画に使われているシルバーは光を反射する鉱物であり、空に開かれた藤本壮介氏の建築と呼応しながら、変化し続ける周囲の環境、天候、人々の思いを映し出し、時間や空間にゆらぎをもたらします。作者は、この壁画が「現代の遺跡」として、場の記憶を未来につないでいく媒介となることを期待しています。
撮影:小山田邦哉