過去の企画展
2020年7月23日(木) - 2021年8月29日(日)
-遊ぶ、演じる、こだまする アートがつなぐ人とまち-
十和田のまちを美術館にするプロジェクト“Arts Towada”が10周年を迎えるのを記念して、全3期にわたって開催される展覧会「インター + プレイ」展。
新しい創造を生みだし、インスピレーションの源泉となってきたArts Towadaの中核、十和田市現代美術館は、アートを通じて人と人、人とまちが出会う、インタープレイ(相互作用)の現場であり続けてきました。本展は、その精神を体現するものです。
3期を通じて、身近なものをモチーフに私たちの五感を刺激する作品をつくる鈴木康広が、ベンチにもなる大型の野外彫刻を設置。引力をもち、そのパワーが外側へと広がっていく十和田の姿を表現しています。また、近年芸術祭や大規模個展で注目を集めている目[mé]は、まちなかの建物に真っ白なギャラリー空間を唐突に出現させます。
美術館内では、鏡とビデオカメラとプロジェクターを使い、見る人の感覚を撹乱する津田道子のインスタレーション、音に身をゆだね溶け込んでいく感覚をもたらすevalaの作品、十和田での滞在調査を踏まえ〈赤〉をテーマに制作される松原慈の新作を展示します。
また、会期中には問題行動トリオが美術館の展示室で、音楽とダンスの公演を行います。
■全期・・・鈴木 康広[十和田市現代美術館 前庭に展示]、目[mé][十和田市まちなかに展示]
■第1期出展作家・・・津田 道子、evala、松原 慈
■パフォーマンス・・・問題行動トリオ(野村 誠+佐久間 新+砂連尾 理)[会期ごとに1回ずつ開催予定]
※evala《Anechoic Sphere ー Haze》は、先着順に整理券を配布しご案内しております。観覧できる人数に限りがあるためすべてのお客様がご観覧いただけない場合がございます。あらかじめご了承ください。
画像:松原 慈《真実/自由》”Arts Towada十周年記念 「インター + プレイ」展” 展示風景(十和田市現代美術館、青森、2020 年)撮影:小山田邦哉
【「インター + プレイ」展 第1期 CM】
Videography: Ishikawa Kazuya
1. 美術館の外に飛び出す鈴木康広の野外彫刻や、目[mé]によるまちなか展示
十和田市現代美術館の前庭に、鈴木康広による野外彫刻が出現します。これは十和田市の形をした切り株型のベンチで実際に腰掛けることができます。十和田の引力に引き寄せられ落ちてきたりんごのつくる波紋が、十和田の外にも広がっていくイメージです。現代アートチームの目[mé]は、まちなかの既存の建物に、突然美術館の一室が現れたかのような作品を展開します。美術館がまちに広がっていったような作品です。
2. 新しい感覚を呼び覚ます津田道子・evala・松原慈の室内展示
企画展示室では、いずれも来場者がその中に没入するような、新しい感覚の展示を行います。津田道子の展示は鏡とビデオカメラとプロジェクターと素通しの枠が設置されており、その間を歩いていくとふとした瞬間に自分の後ろ姿が見えたりする、視界を撹乱するような作品。evalaは音に身体が溶けていくような、没入感のあるサウンドインスタレーションを展示します。松原慈は十和田湖の岩肌や地底の下でいまも燃え盛る炎からインスピレーションを得ました。赤を基調にした展示は、体内と地球が響き合うような体験をもたらします。
3. 問題行動トリオが美術館で初の実験的音楽・ダンス公演
音楽家の野村誠、ジャワ舞踊家の佐久間新、コンテンポラリーダンサー砂連尾理の3名が、音楽とダンスで「問題行動」に迫るプロジェクト。3名はそれぞれ、世界中で人や空間と関わり合い独自の表現を生み出しています。今回は、美術館の展示空間とコラボレーション。普段は入ることのできない夜の美術館に潜り込み、展示作品と空間と対話しながら実験的なパフォーマンスを展開します。何が起こるかわからない、壮大な遊びを体験してください。
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音楽家、サウンドアーティスト。1976年、京都生まれ。立体音響システムを新たな楽器として駆使し、2016年より新たな聴覚体験を創出するプロジェクト「Seeby Your Ears」を始動。音が生き物のように躍動的にふるまう現象を構築し、新たな音楽手法としての“空間的作曲”を提示する。代表作に「大きな耳を持ったキツネ」(Sonar+D, Barcelona 2017)、「OurMuse」(ACC, Gwangju Korea 2018)、SONY Sonic Surf VRを用いた576ch音響インスタレーション「AcousticVessel Odyssey」(SXSW, Austin 2018)を展開する。また舞台、映画、公共空間においても多彩なサウンドプロデュースを手掛けている。2020年1月、暗闇の中、映画を「耳で視る」というコンセプトのもと、インビジブル・シネマ「Sea, See, Sheーまだ見ぬ君へ」を世界初上演した。
http://evala.jp
http://seebyyourears.jp
まつばら・めぐみ
1977年東京生まれ。イメージ、テキスト、光の現象などさまざまな表現で編まれた空間を作り、存在/不在の絶妙なバランスを模索する。主な個展に「The Blind Dream」(DouiriaMouassine Museum、マラケシュ、モロッコ、2014)、「A proposal for a textbook to learn Braille, English, and other languages」(Fonderia Artistica Battaglia Milano、イタリア、2015)、近年の展覧会に「第21回DOMANI・明日展」(国立新美術館、2019)、「Poétique du geste」(La Graineterie -ウイユ市現代美術センター、フランス、2018)、「あいちトリエンナーレ2016」(愛知県美術館、2016)、「第6回マラケシュ・ビエンナーレ」(エル・バディ宮殿、モロッコ、2016)がある。また、2002年より有山宙と共同主宰している建築スタジオASSISTANTでは建築作品を手がけ、代表作に《33年目の家》(奈良、2013)、《コロガルパビリオン》(YCAM、山口、2013)、《IT IS A GARDEN》(長野、2016)。
撮影: © Matteo Lonardi
のむら・まこと
作曲家/ピアニスト1968年名古屋市生まれ。個展「Organic Vegetable」(アートスペース虹:京都)、グループ展に、「肌理と気配」(ACAC:青森)、「Archway Sound Symposium」(Five Years Gallery:ロンドン)、「野村誠の音楽室」(広島市現代美術館:広島)、「Notations 21」(Jeanie Tengelsen Gallery他:アメリカ)など。現在、日本センチュリー交響楽団コミュニティプログラムディレクター。
問題行動トリオ
様々な背景を持つ人々と共同制作を行う野村誠・佐久間新・砂連尾理が、規制や常識を超え表現を追求する。身体の境界を揺るがしながら、人や環境と対話するように即興的パフォーマンスを行う。2019年、「ノムラとジャレオとサクマの問題行動ショー ヨソモノになるための練習曲」(豊中市立文化芸術センター、大坂)を開催。
さくま・しん
ジャワ舞踊家1968年大阪市生まれ。コラボ・即興・コミュニケーションに関わるプロジェクトを推進。からだに問いかけることとそこから生まれる言葉で話す「からだトーク」(大阪大学)、障がいのある人と新しいダンスを創る「ひるのダンス」(たんぽぽの家・奈良)等。共著に「ソーシャル・アート障害のある人とアートで社会を変える」(文芸出版)。
問題行動トリオ
様々な背景を持つ人々と共同制作を行う野村誠・佐久間新・砂連尾理が、規制や常識を超え表現を追求する。身体の境界を揺るがしながら、人や環境と対話するように即興的パフォーマンスを行う。2019年、「ノムラとジャレオとサクマの問題行動ショー ヨソモノになるための練習曲」(豊中市立文化芸術センター、大坂)を開催。
撮影:草本利枝
じゃれお・おさむ
振付家/ダンサー1965年大阪市生まれ。1991年寺田みさことダンスユニットを結成。近年はソロ活動を中心に、障がい者や高齢者、避難所生活者などとのプロジェクトも手がけ、アートと社会を繋ぐ活動を展開している。著書に「老人ホームで生まれた<とつとつダンス>—ダンスのような、介護のようなー」(晶文社)。立教大学映像身体学科特任教授。
問題行動トリオ
様々な背景を持つ人々と共同制作を行う野村誠・佐久間新・砂連尾理が、規制や常識を超え表現を追求する。身体の境界を揺るがしながら、人や環境と対話するように即興的パフォーマンスを行う。2019年、「ノムラとジャレオとサクマの問題行動ショー ヨソモノになるための練習曲」(豊中市立文化芸術センター、大坂)を開催。
撮影:三浦博之
名称
会期・日時
会場
十和田市現代美術館 企画展示室
十和田市現代美術館 屋外イベントスペース
十和田市現代美術館 休憩スペース(カフェ)
開館時間
9:00 − 17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(祝日の場合はその翌日、ただし2021年8月10日(火)は臨時開館。)
会場
十和田市現代美術館
観覧料
企画展+常設展セット券1200円。
企画展の個別料金は一般800円。団体(20名以上)100円引き。高校生以下無料。
主催
十和田市現代美術館
協賛
クリエーション バウマン ジャパン
協力
青森公立大学国際芸術センター青森
後援
東奥日報社、デーリー東北新聞社、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、十和田市教育委員会
キュレーター
金澤 韻、鷲田 めるろ
アシスタントキュレーター
見留 さやか、中川 千恵子、里村 真理