過去の企画展
2018年2月10日(土) - 5月20日(日)
ラファエル・ローゼンダールはインターネット空間を発想と表現の場とする、時代の最前線を走るアーティストのひとりだ。ローゼンダールの作品は、インターネット空間にあるため、アクセスしたいときにいつでも誰でも触れることができる。本展のタイトルとなった「Generosity(寛容さ)」は、そのように誰にでも惜しみなく提供されている作家の芸術の本質を表したもの。ローゼンダールにとって世界初となる美術館での個展は大規模な映像インスタレーションやタペストリー作品、インタラクティブ映像の展示で構成され、彼の芸術の豊かな広がりが表現されることとなった。
※Main photo image : Much Better Than This, Times Square Midnight Moment, New York, 2015 Photography by Michael Wells
【紹介ムービー】
1.大規模な映像インスタレーション
ウェブサイトとして発表されているプログラム映像をコンピレーション(編集・構成)し、最も大きな企画展示室で空間展示します。没入感とともに、インターネットの世界の創造性と、ローゼンダールの絵画的な芸術をお楽しみいただけます。
2.新作のタペストリー作品
ローゼンダールが発表したChromeの拡張機能<Abstract Browsing>は、GmailやTwitterなどの有名なウェブサイトのビジュアルを抽象化するものです。ローゼンダールはその図像をタペストリー作品として展開しており、本展ではその最新作が展示されます。
3.英語俳句
展示室同士をつなぐ明るく長い廊下に、ローゼンダールが2013年から取り組んでいる言葉の芸術、俳句が空間展示されます。
4.インタラクティブ映像
ローゼンダールのウェブサイト作品の中には、鑑賞者がカーソルを動かして関与するインタラクティブなものもあります。本展でもそのうちのいくつかを紹介し、実際に手を動かして作品の動きを楽しめるように展示します。
★The Chain Museum の協力により、美術館外壁にHaikuを展示しています。
The Chain Museum は小さくユニークなミュージアムを世界にたくさんつくるプロジェクトです。
このローゼンダールの俳句に下句をつける、連句プロジェクトを実施中:http://www.thechainmuseum.art
[図録]
「 ラファエル・ローゼンダール:ジェネロシティ 寛容さの美学 」
企画・発行:十和田市現代美術館
発行日:2018年3月23日
サイズ:A4変形サイズ(32ページ)
価格:980円(税込)
待望の展覧会公式カタログが完成しました。
本展覧会の作品がすべて収録されており、エッセイから作家略歴を含めすべて日英バイリンガルとなっています。
エッセイ:
金澤韻 [十和田市現代美術館/学芸統括]
※十和田市現代美術館では、カフェ&ショップ cubeにて販売しています。
販売についてのお問い合わせはcube TEL:0176-22-7789 まで、
図録の内容についてのお問い合わせは美術館 TEL:0176-20-1127までご連絡くださいませ。
Mondriaan Fund
The Mondriaan Fund is the public fund for visual art and cultural heritage. All grant opportunities and activities are clustered in seven platforms, ranging from talent development to international presentations.
Rafaël Rozendaal ラファエル・ローゼンダール
1980年オランダ生まれ/米国在住。インターネット・アートの代表的存在。シンプルな造形と動き、象徴的な色彩、遊び心に満ちたプログラム映像とインタラクションをウェブ上で発表し、それらを用いたインスタレーションや、絵画、タペストリー作品などを現実の展示空間でも展開してきた。ヴェネツィア・ビエンナーレをはじめとする世界的な国際展への出品、またポンピドゥーセンター(パリ)、ステデリック・ミュージアム(アムステルダム)等、著名な美術館での展覧会多数。中でも、2015年のニューヨーク、タイムズ・スクエアの電光掲示板を使ったインスタレーションは特に有名。日本との関わりも深く、2009年にAITレジデンシープログラム参加を皮切りに、Takuro Someya Contemporary Artでの個展(2010、2016、2017)、カルバン・クラインとのコラボレーションイベント(2012)、「セカイがハンテンし、テイク」(川崎市市民ミュージアム、2013)、茨城県北芸術祭(2016)で作品を発表。彼の俳句作品は2013年の展示をきっかけに始められた。
作家メッセージ
私は、ウェブサイトや俳句、インタラクティブ作品、テキスタイルなど、あるルールに基づいた環境の中で作られる表現に取り組んできました。つまり、私はずっと、異なるいくつかの仕組み(システム)について考え、そういう制限の中で自分の創造性を探求してきたのです。十和田市現代美術館の建築も、この考えを表しているように見えます。たくさんの展示室が廊下でつながったこの建築で、来館者が明るい廊下を渡って、部屋から部屋へと移動していくとき、脳や思考の違う部分同士が接続しあい、ひとつの世界そのものになっているように感じられます。そのため、十和田市現代美術館の建築は自分の作品にぴったり合うのではと考えました。この美しい美術館で展示できる機会をとても楽しみにしています。
名称
会期・日時
会場
十和田市現代美術館
開館時間
9:00~17:00
(入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日。ただし5月1日(火)は開館)
観覧料
企画展+常設展セット券1000円。企画展の個別料金は一般600円。
団体(20名以上)100円引き。高校生以下無料。
主催
十和田市現代美術館
助成
Mondriaan Fund、在日オランダ大使館
協力
Takuro Someya Contemporary Art、株式会社中川ケミカル、恵比寿映像祭
特別協力
The Chain Museum
後援
東奥日報社、デーリー東北新聞社、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、十和田市教育委員会
キュレーター
金澤 韻(かなざわ こだま)