過去の企画展
2021年10月1日(金) - 2022年1月10日(月)
十和田市現代美術館は、Arts Towada 十周年を記念した全3期にわたる企画展「インター + プレイ」を昨年より開催しています。
第2期では、当館常設展示作家の一人であるトマス・サラセーノの作品を展示します。サラセーノは、環境正義と異種間の共生を掲げ、地上
だけでなく宇宙規模まで視野を広げプロジェクトを展開しているアーティストです。当館の常設展示作品《オン・クラウズ(エア-ポート-シティ)》とも繋がりのある「バルーン」と「クモ」をキーワードに、サラセーノの近年の代表作を紹介します。
本展では、ジョロウグモなどの日本のクモの伝承に着想を得た《クモのオラクルカード》の新作3点が初公開されます。
2019年に発表された本シリーズは、カメルーンとナイジェリアに住むマンビラ族のクモを使った占いから着想を得て制作されたものです。オラクルカードにも登場するミズグモの姿に迫っているのが、出展作品《大気の海の底に棲む(水生クモ)》です。水中で生活するその珍しい生態から、ある種が新しい環境に適応するために生活様式を変化させる可能性を提示します。
《熱力学の組曲》は、空気や人の動きによって、展覧会中にドローイングを生み出すインスタレーションです。また、複数人が共同し、誰でもアクセスできる方法で彫刻《エアロソーラー》を飛行させることができるキット《エアロシーン・バックパック》を展示します。バルーンにまつわる作品群は、化石燃料を使用せず、空気を汚染しない未来を描くサラセーノが協力者と展開するプロジェクト「エアロシーン」の理念を展示室で表現します。
また、鈴木康広《はじまりの果実》、目[mé]《space》内に新たに《movements》を展示に加えるほか、問題行動トリオによるパフォーマンスも開催します。
画像:トマス・サラセーノ 《クモのオラクルカード》2021年
撮影:Studio Tomás Saraceno
画像提供:作家、Arachnophilia
【「インター + プレイ」展 第2期 CM】
Videography: Ishikawa Kazuya
1. トマス・サラセーノによる日本初公開の作品を多数紹介
異なる種のクモの巣を組み合わせた「混成のクモの巣」シリーズの一作や、燃料を使用せずに飛行する彫刻エアロソーラーのキットを収めた《エアロシーン・バックパック》など、サラセーノの近年の代表的な作品を日本で初めて紹介します。
2.まちなか展示 目[mé]《space》内で《movements》を公開
第2期では、第1期に現代アートチーム目[mé]が制作した、昭和レトロなスナックがあった二階建の建物にホワイトキューブが埋め込まれている《space》内に《movements》を展示します。《movements》は、俯瞰してみると無数の黒い生き物の群れのように見えますが、近寄ってみると時計の針が音を刻みながら機械的に動いているのがわかります。
Tomás SARACENO
1973年トゥクマン(アルゼンチン)生まれ。ベルリン在住。芸術、生命科学、社会科学など様々な分野から着想を得て制作を行う。宙に浮く彫刻やコミュニティ・プロジェクト、鑑賞者が内部で過ごすことができるインスタレーションを通じて、サステナブルな新しい生き方や、自然環境への向き合い方を鑑賞者に問いかける。
サラセーノは、多分野を横断する芸術コミュニティエアロシーンの活動の一環として、環境を損なうことなく空気を利用した作品《ムセオ・エアロ・ソーラー》や、燃料を使わない気球での飛行プロジェクト《エアロシーン・パチャでの飛行》などを展開している。また、蜘蛛の巣への関心から制作したウェブ上のプラットフォームArachnophilia.netやArachnomancy Appで、《絶滅に対抗するためのマッピング》プロジェクトの活動も行っている。近年の展覧会に、「Aria」 (ストロッツィ宮、フィレンツェ、イタリア、2020)、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ(イタリア、2019)、「ON AIR」(パレ・ド・トーキョー、パリ、フランス、2018)がある。
© Alfred Weidinger, 2015
のむら・まこと
作曲/ピアニスト、1968年名古屋市生まれ。個展「Organic Vegetable」(アートスペース虹:京都)、グループ展に、「肌理と気配」(ACAC:青森)、「Archway Sound Symposium」(Five Years Gallery:ロンドン)、「野村誠の音楽室」(広島市現代美術館:広島)、「Notations 21」(Jeanie Tengelsen Gallery他:アメリカ)など。現在、日本センチュリー交響楽団コミュニティプログラムディレクター。
問題行動トリオ
様々な背景を持つ人々と共同制作を行う野村誠・佐久間新・砂連尾理が、規制や常識を超え表現を追求する。身体の境界を揺るがしながら、人や環境と対話するように即興的パフォーマンスを行う。2019年、「ノムラとジャレオとサクマの問題行動ショー ヨソモノになるための練習曲」(豊中市立文化芸術センター、大坂)を開催。
さくま・しん
ジャワ舞踊家、1968年大阪市生まれ。コラボ・即興・コミュニケーションに関わるプロジェクトを推進。からだに問いかけることとそこから生まれる言葉で話す「からだトーク」(大阪大学)、障がいのある人と新しいダンスを創る「ひるのダンス」(たんぽぽの家・奈良)等。共著に「ソーシャル・アート障害のある人とアートで社会を変える」(文芸出版)。
問題行動トリオ
様々な背景を持つ人々と共同制作を行う野村誠・佐久間新・砂連尾理が、規制や常識を超え表現を追求する。身体の境界を揺るがしながら、人や環境と対話するように即興的パフォーマンスを行う。2019年、「ノムラとジャレオとサクマの問題行動ショー ヨソモノになるための練習曲」(豊中市立文化芸術センター、大坂)を開催。
撮影:草本利枝
じゃれお・おさむ
振付家/ダンサー、1965年大阪市生まれ。1991年寺田みさことダンスユニットを結成。近年はソロ活動を中心に、障がい者や高齢者、避難所生活者などとのプロジェクトも手がけ、アートと社会を繋ぐ活動を展開している。著書に「老人ホームで生まれた<とつとつダンス>—ダンスのような、介護のようなー」(晶文社)。立教大学映像身体学科特任教授。
問題行動トリオ
様々な背景を持つ人々と共同制作を行う野村誠・佐久間新・砂連尾理が、規制や常識を超え表現を追求する。身体の境界を揺るがしながら、人や環境と対話するように即興的パフォーマンスを行う。2019年、「ノムラとジャレオとサクマの問題行動ショー ヨソモノになるための練習曲」(豊中市立文化芸術センター、大坂)を開催。
撮影:三浦博之
名称
会期・日時
会場
十和田市現代美術館
開館時間
9:00 − 17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(祝日の場合はその翌日)、12月27日(月) – 1月1日(土)は年末年始休館。
会場
十和田市現代美術館
主催
十和田市現代美術館
後援
アルゼンチン共和国大使館、東奥日報社、デーリー東北新聞社、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、十和田市教育委員会
協力
ゲーテ・インスティトゥート東京