過去の企画展
2018年6月2日(土) - 10月14日(日)
十和田市現代美術館の常設展示作品《コーズ・アンド・エフェクト》(2008)でも知られる、アジアを代表する世界的美術家のスゥ・ドーホー。当館の開館10周年を記念して開催された個展では、作家の代表作でもある半透明の布を使ったシリーズの最新作を展示するとともに、スゥがロンドン、ニューヨーク、ソウルを移動する中で得た視点を表現した映像作品やドローイング、絵画の展示も行われた。これらの作品はいくつかの場所とその文化を経験するときに見えてくるものを通して、人間性やアイデンティティとはなにかという根本的な問いを投げかけるものとなった。
2023年1月より当館では名前の表記をソ・ドホに変更いたしました。
Photo image:《Hub, 310 Union Wharf, 23 Wenlock Road, London, N1 7ST, UK》 Photo by Taegsu Jeon
Courtesy the artist, Lehmann Maupin, New York, Hong Kong and Seoul and Victoria Miro, London/Venice(参考画像)
1. 新作発表
スゥの代表的スタイルである半透明の布を使った大型彫刻作品の新作3点が発表されます。
2. 映像作品《My Home/s》初公開
ロンドン、ニューヨーク、ソウルという異なる文化間を行き来する作家の視点をとらえた映像作品が日本で初公開されます。
3. 十和田市現代美術館常設作品《コーズ・アンド・エフェクト》(2008)との共鳴
個と社会をテーマに制作された《コーズ・アンド・エフェクト》が、スゥの他の作品と共鳴しあい新しいイメージを想起させます。
[図録]
「 スゥ・ドーホー:パサージュ 」
企画・発行:十和田市現代美術館
発行日:2018年7月14日
サイズ:A5サイズ(52ページ)
価格:1,620円(税込)
待望の展覧会公式カタログが完成しました。
本展覧会の作品がすべて収録されており、テキストから作家略歴を含めすべて日英バイリンガルとなっています。
テキスト:
南條史生[本展キュレーター/十和田市現代美術館 アドバイザー]
金澤韻 [本展キュレーター/十和田市現代美術館 学芸統括]
※十和田市現代美術館では、カフェ&ショップ cubeにて販売中です。
販売についてのお問い合わせはcube TEL:0176-22-7789 まで、
図録の内容についてのお問い合わせは美術館 TEL:0176-20-1127までご連絡くださいませ。
スゥ・ドーホー
1962年韓国生まれ。ソウル大学校卒業後アメリカに渡り、ロードアイランド・スクール・オブ・デザインで絵画を学び、BFAを取得、イェール・ユニバーシティ・スクール・オブ・アートで彫刻を学び、MFAを取得。ロンドン、ニューヨーク、ソウルを拠点とし、家や家の中のアイテムを象った彫刻と、没入感のあるインスタレーションを通して、異なる文化間を移動するときに感じられる気持ちを表現しつづけている。半透明の布を用いた彫刻のシリーズは、彼がそれまで住んだ空間の手触りと繊細な細部を再現するもの。これらの作品は軽くて持ち運びができ、どんな場所にでも設置できるもので、スゥ自身によって「スーツケース・ホーム」と呼ばれている。
作家メッセージ
十和田市現代美術館の開館当初に常設作品のコミッションワークを受けて以来、十和田は私の記憶の中でずっと特別な場所でした。また美術館の建築は私の実践と共鳴するものでした。アーティストごとに独立した展示室があり、それらをつなぐ透明なガラス壁の通路は、美術館の内と外を隔てる境界をなくしていくのです。これが今回、この展覧会に半透明の布でできた構造物のシリーズを展示したいと考えた理由です。重さのない構造物のなかを通り抜けることができるこの作品は、見る人を、一つの文化や建築から、別の文化や建築へと連れ出し、その過程で様々な境界や想像上の場所が交差するような体験を引き起こすでしょう。
名称
会期・日時
会場
十和田市現代美術館
開館時間
9:00〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(月曜が祝日の場合その翌日)ただし8月6日(月)、13日(月)は臨時開館。
観覧料
企画展+常設展セット券1200円。企画展の個別料金は一般800円。
団体(20名以上)100円引き。高校生以下無料。
主催
十和田市現代美術館、十和田市
後援
東奥日報社、デーリー東北新聞社、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、十和田市教育委員会
キュレーター
金澤 韻(かなざわ・こだま)、南條史生