今後の企画展
2026年6月6日(土) - 11月8日(日)
⼗和⽥市現代美術館では、2026年6⽉6⽇(⼟)から 11⽉8⽇(⽇)まで、現代美術家‧椿昇(つばき‧のぼる)の個展「フリーダムー像(ゾウ)と⽣きる」を開催します。
巨⼤⽣命体の造形を通して、現代の資本主義社会に問いを投げかけてきた椿昇。彼の表現は、常に⼈間の欲望と⽭盾をあぶり出してきました。⼗和⽥市現代美術館の外庭に佇む真紅の巨⼤ロボットアリ《アッタ》(2008)は、⽇本で唯⼀の椿の恒久展⽰作品として、そのインパクトのある姿が、訪れる⼈々の⽬を惹きつけ続けています。
椿はこれまで、巨⼤⽣命体を通して環境破壊や格差拡⼤といった社会の諸問題を探究してきました。現代を⽣きる私たちは、こうした問題を⽇々のニュースやSNSなどを通して、無数のイメージ(像)(ゾウ)と共に⾒聞きします。しかし、それらについて深く考え、他者と意⾒を交わす機会は、果たしてどれほどあるのでしょうか。
英語で「ザ‧エレファント‧イン‧ザ‧ルーム」という慣⽤句があります。⼤きく扱いにくい問題や、タブー視されてきた事実など、誰もが気づいていながら、あえて話題にすることを避けてしまう状況を指します。それは⼀⾒、克服すべき課題のようにも⾒えますが、こうした不合理で曖昧な習慣や規範によって、私たちの社会の秩序が保たれている側⾯があることもまた事実です。では、この同調圧⼒が不可避な社会のなかで、⾃由であること(フリーダム)とはどういうことなのでしょうか。
本展は、制作活動40年を超える椿昇が本展のために新たに制作する地上最⼤の哺乳類「ゾウ」を中⼼に、実態を⾒て⾒ぬふりをしがちな私たちの⽇常の⾏為や思考のあり⽅を問い直します。
私たちはこの社会でどう⽣きるのか。本展は椿昇とともに探究する貴重な機会となるでしょう。
椿昇によるステートメント
「決定論の前に⾃由意志は存在するのか‧‧という難問と、時間は存在せずに変化のみが絶え間なく⽣成されているという理論。これらはアーティストがなぜ時系列に沿って発展しているような作品を連続させるのかという疑問にも繋がる。⾃由に振る舞っているようで、最も素朴な進化論の亡霊に追われて創作を⾏い続けているのは滑稽なことかもしれない。アイデアが⽣まれ、マケットが⽣まれ、完成作品が⽣まれる。この流れが無意識に我々を凡庸な世界へと導いているとしたらアートも実に退屈な世界なのだと⾃省する。
こうしたある昼下がり、陸上哺乳類で最⼤の象とムガール帝国の象使いの囁きが降りてきた。あの空間に象の頭部が2個転がっているのは最⾼だ‧‧‧。そのとき、キュレーターの⻑尾さんが知らせてくれて。以前台湾で展⽰をした時*、脳科学者の茂⽊健⼀郎さんが僕の作品について書いたテキストの中で“the elephant in the room”という⾔葉を使ってたのだと。へーなんと素晴らしい偶然(僕が忘れてただけ‧‧‧)だと思えたのは、遺伝⼦にマンモスを追ってシベリアに移動した祖先の痕跡があるとデータ会社の資料にあったことも遠因。
象使いの僕は、《アッタ》を連れてパレードをする。やっとここに戻って来れたのが嬉しいね。」
*国際芸術祭「Kuandu Biennale 2016 – Slaying Monsters」(台湾、2016)
椿昇(つばき・のぼる)
アルトテックディレクター。京都芸術⼤学美術⼯芸学科教授。
1953年京都府⽣まれ。京都市⽴芸術⼤学美術専攻科修了。「Against Nature: Japanese Art in the Eighties」展(サンフランシスコ近代美術館ほか、アメリカ、1989-91年)に《フレッシュガソリン》を出品。「第45回ヴェネチア‧ビエンナーレ」(イタリア、1993年)ではアペルト部⾨に参加。「横浜トリエンナーレ2001」(神奈川)で《⾶蝗(プロジェクト‧インセクト‧ワールド)》を出品。主な個展に、「Noboru Tsubaki」(サンディエゴ現代美術館、アメリカ、1992)、「国連少年」(⽔⼾芸術館、茨城、2003年)、「椿昇2004-2009: GOLD/WHITE/ BLACK」(京都国⽴近代美術館、京都、2009年)、「PREHISTORIC_PH」(霧島アートの森、⿅児島、2012年)など。「醤の郷+坂⼿港プロジェクト」(瀬⼾内国際芸術祭2013、⼩⾖島町、⾹川)、「AOMORIトリエンナーレ2017」(⻘森市)、「ARTISTS’ FAIR KYOTO」(京都市、2018年-)などの芸術祭でディレクターを務める。
https://www.metapolice.net/
⼗和⽥市現代美術館の常設作品として、《アッタ》を展⽰している。
名称
会期・日時
開館時間
9:00 – 17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(祝日の場合はその翌日)、ただし8月3日、8月10日は開館。
会場
十和田市現代美術館
観覧料
一般1800円(常設展含む)、20名以上の団体1600円(要団体申請書提出)、高校生以下無料
主催
十和田市現代美術館
後援
青森朝日放送、青森テレビ、青森放送、エフエム青森、デーリー東北新聞社、東奥日報社、十和田市教育委員会
企画
長尾衣里子