過去の企画展
2022年4月12日(火) - 5月29日(日)
十和田出身の映像作家 水尻自子と漆彫刻家 青木千絵による新作を公開
十和田市現代美術館では、Arts Towada 十周年を記念した全3期にわたる展覧会「インター+プレイ」展を開催しています。
その最後を飾る第3期では、青森県十和田市出身の映像作家 水尻自子と漆彫刻家 青木千絵の作品を展示します。
水尻自子のアニメーション作品は、鑑賞者の触感や痛覚を刺激し、まるで視覚で物に触れているような感覚を呼び起こします。本展の作品はミュージシャンの本田ゆかが音楽を担当し、十和田のために制作された新作です。一方、漆を用いた青木千絵の彫刻作品は、身体をモチーフにし、体の内側に溜まった感情が外側の身体へと現れ、覆い尽くすような造形です。身体を覆う幾重にも重ねた漆の鏡面には、奥にのみこまれるような深みがあり、鑑賞者を作品の内側に惹き寄せます。展覧会では新作と旧作を組み合わせて展示します。
第3期では、身体の内と外を越境し、他者と感覚を共有していく映像や彫刻作品が中心となります。美術館とまち、人と自然との関係から考え始めた相互作用という展覧会のテーマを、身体感覚の領域にも広げていきます。
なお、第2期のトマス・サラセーノの展示の一部や、通年展示の鈴木康広《はじまりの果実》、目[mé]《space》は、引き続き展示し、問題行動トリオによるパフォーマンスも会期中に開催します。
画像:青木千絵《BODY18-2》2018年 撮影:池田ひらく
【「インター + プレイ」展 第3期 CM】
Videography: Ishikawa Kazuya
1. 2021年カンヌ国際映画祭『監督週間』で上映された十和田市出身の映像作家 水尻自子の新作を日本初公開
水尻自子は、淡い色合いを用い、柔らかい線の手描きのアニメーションが特徴的な映像作家です。本展が日本初公開の
《不安な体》では、身の回りにあるオブジェの感触を描くことで、観る人の記憶にある体験を呼び起こし、鑑賞者の
身体にシンクロするだけでなく、侵食してゆくような映像を作り出しました。また、ミュージシャンの本田ゆかの音楽
は、アニメーションの動きにぴったりと呼応し、聴覚からも鑑賞者の感度を高める効果を生み出します。
2. 青木千絵の代表作《BODY》シリーズの新作と旧作を展示
漆彫刻家の青木千絵は、金沢美術工芸大学で漆と出会い、その深い色や艶に魅了されるとともに、自然からひきだされた
素材に生命力や人をひきこむ力を感じたと言います。青木は乾漆技法を用いながら、自分と他者との関係性や、自分自身
の外(身体)と内(精神)などをテーマに、漆による新しい表現形式を生み出しています。本展では《BODY17-1》
《BODY18-2》、十和田のために制作された新作《BODY21-3》が展示され、いずれも身体と精神が融和し衝突し合う様
を表現し、見る者の身体感覚を拡張していきます。
みずしり・よりこ
映像作家。1984年青森県十和田市生まれ。体の一部や身近な物体をモチーフにした触覚的なアニメーションを制作する。文化庁メディア芸術祭アニメーション部門 新人賞、ベルリン国際映画祭 短編コンペティション正式出品など、国内外の映画祭で上映・受賞多数。本展出展作品《不安な体》が第74回カンヌ国際映画祭「監督週間」に選出。オタワ国際アニメーション映画祭では最優秀ノンナラティブ作品、ファントーシュ国際アニメーション映画祭ではベスト・サウンド賞など、国際映画祭での受賞が続いている。
出展作品《不安な体》は、Miyu Productions(フランス)とニューディアー(日本)の国際共同製作体制で作られた。
のむら・まこと
作曲家/ピアニスト、1968年名古屋市生まれ。個展「Organic Vegetable」(アートスペース虹、京都)、グループ展に、「肌理と気配」(青森公立大学国際芸術センター青森、青森)、「Archway Sound Symposium」(Five Years Gallery、ロンドン)、「野村誠の音楽室」(広島市現代美術館、広島)、「Notations 21」(Jeanie Tengelsen Gallery他、アメリカ)など。現在、日本センチュリー交響楽団コミュニティプログラムディレクター。
問題行動トリオ
様々な背景を持つ人々と共同制作を行う野村誠・佐久間新・砂連尾理が、規制や常識を超え表現を追求する。身体の境界を揺るがしながら、人や環境と対話するように即興的パフォーマンスを行う。2019年、「ノムラとジャレオとサクマの問題行動ショー ヨソモノになるための練習曲」(豊中市立文化芸術センター、大坂)を開催。
さくま・しん
ジャワ舞踊家、1968年大阪市生まれ。コラボ・即興・コミュニケーションに関わるプロジェクトを推進。からだに問いかけることとそこから生まれる言葉で話す「からだトーク」(大阪大学)、障がいのある人と新しいダンスを創る「ひるのダンス」(たんぽぽの家、奈良)等。共著に「ソーシャル・アート障害のある人とアートで社会を変える」(文芸出版)。
問題行動トリオ
様々な背景を持つ人々と共同制作を行う野村誠・佐久間新・砂連尾理が、規制や常識を超え表現を追求する。身体の境界を揺るがしながら、人や環境と対話するように即興的パフォーマンスを行う。2019年、「ノムラとジャレオとサクマの問題行動ショー ヨソモノになるための練習曲」(豊中市立文化芸術センター、大坂)を開催。
撮影:草本利枝
じゃれお・おさむ
振付家/ダンサー、1965年大阪市生まれ。1991年寺田みさことダンスユニットを結成。近年はソロ活動を中心に、障がい者や高齢者、避難所生活者などとのプロジェクトも手がけ、アートと社会を繋ぐ活動を展開している。著書に「老人ホームで生まれた<とつとつダンス>—ダンスのような、介護のようなー」(晶文社)。立教大学映像身体学科特任教授。
問題行動トリオ
様々な背景を持つ人々と共同制作を行う野村誠・佐久間新・砂連尾理が、規制や常識を超え表現を追求する。身体の境界を揺るがしながら、人や環境と対話するように即興的パフォーマンスを行う。2019年、「ノムラとジャレオとサクマの問題行動ショー ヨソモノになるための練習曲」(豊中市立文化芸術センター、大坂)を開催。
撮影:三浦博之
名称
会期・日時
会場
十和田市現代美術館
開館時間
9:00 − 17:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日(祝日の場合はその翌日)
後援
アルゼンチン共和国大使館、東奥日報社、デーリー東北新聞社、青森放送、青森テレビ、青森朝日放送、十和田市教育委員会