過去の企画展
2022年7月1日(金) - 9月4日(日)
十和田市現代美術館では、2022年7月より、アーティスト 目[mé]が一軒の空き家をホワイトキューブへと改装した作品「space」を美術館のサテライト会場とし、若手アーティストの作品を紹介します。初回となる2022年7月1日(金)− 9月4日(日)は、主にインスタレーション・アートを制作する大岩雄典の個展を開催します。
大岩雄典は、多層な空間と、物語やせりふといった言葉を中心にした作品の制作や、研究、執筆、キュレーション等、多岐にわたり活動する作家です。物語論・言語哲学、フィクション研究、ゲームスタディーズなどの自身の関心領域に留まらず、戯曲、話芸、漫才、ホラーといった様々な言葉の様式を独自の視点から空間に組み込む(インストール: install)ことで、固有の時間感覚をもつ「空間芸術」として提示します。
大岩は美術館での初の作品発表となる本展のために、展示会場であり、目[mé]の作品でもある「space」と、その周辺の十和田市街の空間が持つ性質を注意深く観察し、これまでの作家の関心であった、ドラマ(劇)、鑑賞者の行為や動線、展覧会の制度との、一種の「地口」を見出します。言葉遊びのような空間の操作は、展示会場であるspaceから十和田市街へ重ねて投影され、観客のパラノイア的な想像を掻き立てるでしょう。
画像:「渦中のP」ビジュアルデザイン
デザイン:北岡誠吾
「大岩雄典 渦中のP」展 カタログ (PDF)
2023年3月1日 十和田市現代美術館発行
美術家。1993年埼玉県生まれ。「空間」というものを、単なる形態を越えて、ゲーム的可能性、他人との親近感、時間との共働、契約や欲望の関係、言葉の効力、歴史・フィクションといった、存在しうる多様な相の織り合わせととらえ、インスタレーション・アート(空間芸術)の形式を再解釈する。わたしたちが他者や物質と、ときに観客や作者と、いかに「居合わせ(contemporary)」なくてよいのかを主題に、たとえば近年は感染症拡大下で変容した空間のありかたに注目して、執筆を含むいろいろな制作をおこなう。
東京藝術大学大学院映像研究科博士後期課程在籍。近作に、カードゲーム・インスタレーション《刑吏たち伴奏たち》(2022)、作家やギャラリー同士の経済関係をジュースに変換した《margin reception》(2021)、ノイズに苛まれる話芸としての「漫才」に着目した《バカンス》(2020)など。euskeoiwa.com
名称
会期・日時
会場
space(十和田市現代美術館サテライト会場)
住所:青森県十和田市西三番町18-20
開館時間
10:00 – 17:00
休館日
月曜日(祝日の場合はその翌日)※8月1日、8日、15日は開館
観覧料
無料
主催
十和田市現代美術館
助成
令和4年度 文化庁 文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光推進事業
後援
青森朝日放送、青森テレビ、青森放送、デーリー東北新聞社、東奥日報社、十和田市教育委員会
キュレーター
中川千恵子