虫-A

上下左右にカーブを描いたカラフルなベンチ。ベンチは、人々に座ってもらえるよう目立つ存在でなければならない一方、街や風景に溶け込むことも必要であるとラシッドは考えました。そこで、色はあざやかに、高さは低く、虫のようにやわらかな曲線を持った、目にも楽しく、人に寄り添うようなベンチが生まれました。

撮影:小山田邦哉


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虫-A

切り株の上に真っ赤なりんごが7つ。少しずつ大きさと角度を変えながら垂直に連なるその様子は、まるで落下の残像が立ち現れているかのようです。白い切り株にいくつも重なる輪は、木の年輪や水の波紋を思わせます。この切り株は、ここ、十和田市の形が模られています。りんごの落下や、広がる年輪や波紋といった自然の現象に、美術館を中心にアートの連鎖が起こっていく十和田のまちの姿を「見立て」ることができます。

撮影: 小山田邦哉


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虫-A

「街中にはアートが、透明な空気の中で、いつも舞い散っている」。建築家ユニットである彼らが、十和田を訪れた時に抱いたそんな印象を、ステンレスのかけらが重なり合うようなベンチに表現しました。私たちは、ベンチに座りながら鏡のような座面に映り込む十和田の四季の断片を体験することができます。身近にある環境、日常の美しさをあらためて感じられる作品です。

撮影:小山田邦哉


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虫-A

色とりどりのタイルがランダムに並べられたベンチ。地面がさまざまな高さに盛り上がったような形をしています。高さの違いを利用すれば、座るだけではなく、新聞を広げテーブルのように使用したり、待ち合わせをしたりと、色々な目的に使うことができます。誰がどう使うかによってベンチのある空間そのものが変化するのです。周囲の人々や空間に働きかけ、さらに空間そのものを作品にしてしまう、そんなアートの見えない力を体験できる作品です。

撮影:小山田邦哉


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虫-A

官庁街通りに置かれている2つの大きな枕には、まるでつい先ほどまで誰かがそこで寝ていたような痕跡が残っています。この枕はベンチとして腰を掛けることや、寝そべることができます。自分の部屋で行うのと同じように枕の上でくつろぎながら通りを眺めてみると、人々の行き交う開かれた空間と私的な空間とがおぼろげに交わり、いつもとは違う景色や時の流れを感じることができます。

撮影:小山田邦哉


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関連企画展

虫-A

商店街の通り沿いには、白くて丸い形をした22点のストリートファニチャーが並んでいます。これらは、ひと休みするためのベンチであると同時に、商店街の人たちが思い思いに花を生けるための花壇や花瓶でもあります。ショッピングを楽しむだけでなく、人々の交流の場として、商店街がますますにぎやかになっていくことを願う近藤の想いが込められています。

撮影:小山田邦哉


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虫-A

「商店街を歩いていたら、突然なにかがもくもくと立ち上がっていて、見るとくぼみがあり、そこにしばし体を投げだして休憩できるといいなと考えた」と日高は語ります。商店街の風景に溶け込むような透明感のあるベンチは、いつもの風景の中にぼんやり浮かび、あるようでないような、まるで空気のような存在感で新しい風景をつくり出しています。

撮影:小山田邦哉


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