美術館

ウォール・ペインティング / ミラー

フェデリコ・エレーロ


作品について

 フェデリコ・エレーロは、約13メートルある3層吹き抜けの階段塔の内部と、そこから続く屋上をアート作品に変えました。日常の場所で作品が人の目に触れることを重視する彼は、パブリックな空間を使った絵画プロジェクトに多く取り組んできました。下絵はなく、即興的に描かれていく絵は、キャンバスのフレームや平面にとどまらず、壁、床、天井と空間全体へと飛び出していきます。その場所ごとに感じたことを色や形で表現するエレーロは、十和田でも、3週間かけてこの地で感じた印象を絵にしていきました。鮮やかな色と形がうごめく塔を昇っていくと、だんだんと青色が増殖し、たどり着いた屋上には、青空が反射するようなきれいなブルーが塗られています。展望台である屋上からは、十和田のまちなみや周囲の自然が見渡すことができ、これは「世界は空でつながっている」という作家のメッセージとも通じています。
 エレーロはコスタリカとニューヨークで建築と絵画を学びました。日本でも「2005年日本国際博覧会 愛・地球博」のアートプログラムに参加するなど、世界を舞台に活躍しています。

《ウォール・ペインティング》
撮影:小山田邦哉


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