常設作品

夜露死苦ガール2012

奈良美智


作品について

 この作品は高さ約10メートルの壁面をキャンバスに見立てて制作されました。タイトルの「夜露死苦」は「よろしく」の当て字で、ちょっと社会を斜めに見ている若者たちのあいさつにも使われています。描かれた少女の着ている服はところどころ破けています。着古したのか、喧嘩でもしたのか、わざと穴をあけてカッコよく着こなしているのかもしれません。足を組んでいるので、ポーズをとっているのでしょう。少女はどこか一点を見つめていますが、まっすぐ前ではなく、斜めの方向です。口元は笑っているようにも、怒りを抑えているようにも、悲しみを抱えているようにも見えます。少女の表情は、単純な線で描かれていますが、見ている人の心に合わせて複雑に変化していきます。
 奈良美智の描く幼い少女や動物の表情は、社会に馴らされることを拒んでいるかのような純粋さ、強さがあります。とくに顔の中で大きな比重をもつ目から放たれる視線は、社会の本質を見抜いているかのようです。その視線の強さを受け止め、「かわいさ」の内側になにがあるのかをつきとめようとするところから、作品との対話がはじまります。描かれている対象に、鑑賞者自身の多様な内面を重ね合わせたり、家族や親しい友達に通じるものが感じ取れます。だからこそ、奈良の作品は世界中の人々を魅了し続けているのです。


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