まちなか常設展示

space

目[mé]


作品について

《space》は2階建ての建物に元の建物とは全く異なる空間、ガラス張りのホワイトキューブが埋め込まれています。コピー・アンド・ペーストのように、元の空間の一部が切り取られ、新たな空間が暴力的な力を持って貼り付けられています。近づいてみると2階の窓は鋭角に、既存の床は消え去ったように、ホワイトキューブの空間に侵食されています。建物の裏側に回ると外階段が現れ、その階段を上がって、ガラスの扉を開けて中の空間に入ることができます。そこは十和田市現代美術館の展示室と同じく、外光が白い空間を満たしています。
目[mé]がホワイトキューブをモチーフにしたのは、作品がまちなかに広がっていくという十和田市現代美術館の建築構想を踏まえたからです。通常、アートイベントなどでは、町おこしとして既存の建物を使用し、その土地の文脈を読み取り、作品を展開することを暗黙のうちに期待されます。当企画でも空き家を利用した作品を依頼したが、それに対して目[mé]は十和田の土地や既存の建物の文脈を全く無かったものとする新たな空間をホワイトキューブとして埋め込んでいます。既存の建物内部をホワイトキューブとするのではなく、新旧のこのような併置が《space》の独自性といえます。
アーティストが作品を創っていく過程で、美術館やイベント主催者側など周囲がアーティストに求めているものが明らかになってきます。そこで表現方法に枠がはめられ自由が制約される側面が生まれるとともに、そこから新たな表現が生まれていくこともこの作品から見えてきます。

撮影:小山田邦哉


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