美術館
ボッレ・セートレ
自動ドアから部屋に足を踏み入れると、カーペット張りの床に角のない壁で囲まれた、白く柔らかな空間が広がります。モニターに映る赤青緑の光線と流れる電子音。床のミラーボールが光を乱反射する中、白毛の幻獣が、見えない何かを見つめるかのように横たわっています。古典的なSF映画『2001年宇宙の旅』などから着想を得た本作は、「いまここ」を離れ、過去に思い描かれた未来の姿が閉じ込められた、宙吊りの時空間へと人々を迷い込ませるかのようです。
撮影:小山田邦哉
ボッレ・セートレ
1967年オスロ(ノルウェイ)生まれ。オスロ国立芸術大学で学ぶ。ニューヨーク(アメリカ)、ベルリン(ドイツ)、パリ(フランス)で活動。主な展覧会は、アーティスト・イン・レジデンスの一環として開催した「Double Fantasy The Pasolini Experience and some Paranormal Activities Herslebsgt.10B」(クンストラー・ハウス、ベルリン、2001-02)、「Autonomic High(The things I can’t control, no matter how I try)」(FRACバス・ノルマンディー、カーン、フランス 、2005)、「Greetings to Futures Past」(MOMA PS1、ニューヨーク、2008)など。
制作年:2008
素材:ミクストメディア
サイズ(W×D×H):529×838×450 cm