美術館
椿昇
巨大化した虫型のロボットを思わせる真っ赤な体。地面を強くつかむように立つ長い足、鋭いあごに吊り上がった大きな目など、どこか攻撃的ないでたちでこちらを見つめています。永世中立国である中米のコスタリカに生息し「農耕をするアリ」とも呼ばれるハキリアリ(学名:Atta cephalotes)をモチーフとしたこの作品は、地球上の資源を奪い続け、大量消費を止めない人間に警告を与えているようでもあります。
撮影:小山田邦哉
椿昇
1953年京都府生まれ。京都市立芸術大学美術専攻科修了。「Against Nature: Japanese Art in the Eighties」展(サンフランシスコ近代美術館ほか、1989)に《Fresh gasoline》を出品。「第45回ヴェネチア・ビエンナーレ」(イタリア、1993)ではアペルト部門に参加。「横浜トリエンナーレ2001」(神奈川)で《インセクト・ワールド─飛蝗(バッタ)》を出品。主な個展に、「Noboru Tsubaki」(サンディエゴ現代美術館、アメリカ、1992)、「国連少年」(水戸芸術館、茨城、2003)、「椿昇2004-2009─GOLD/WHITE/BLACK」(京都国立近代美術館、京都、2009)、「PREHISTORIC_PH」(霧島アートの森、鹿児島、2012)などがある。「醤の郷+坂手港プロジェクト」(瀬戸内国際芸術祭2013、小豆島町、香川)、「AOMORIトリエンナーレ2017」(青森市)、「ARTISTS’ FAIR KYOTO 2020」(京都市)などの芸術祭でディレクターを務める。
素材:鉄、FRP
サイズ(W×D×H):601×624×395 cm
協力|木下徹哉(造形師)