美術館
ハンス・オプ・デ・ベーク
暗闇の中、薄明かりに目を凝らすと見えてくるのは、漆黒のダイナーと、果てしなく続く高速道路の風景。不自然なほど人けのない夜の世界にオレンジ色の街灯がもの憂げに光り、流れ続ける古いラジオのくぐもった音が、かえって外界から隔絶された印象を与えます。実寸大で再現された虚構の店内空間から、錯視を利用しつくられた窓外のパノラマを眺める体験は、見る人の時間や距離、場所の感覚をかき乱します。
撮影: Hans Op de Beeck
Courtesy of Xavier Hufkens, Brussels
ハンス・オプ・デ・ベーク
1969年ターンハウト(ベルギー)生まれ。ブリュッセル(ベルギー)在住。大型のインスタレーション、彫刻、映像、ドローイング、絵画、写真、テキストを制作する。主な展覧会は、「Saisir le Silence」(Espace104、パリ、フランス、2017)、「Out of the Ordinary」(ヴォルフスブルク美術館、ドイツ、2017)、「The Cliff」(クレムス美術館、クレムス・アン・デア・ドナウ、オーストリア、2019)など。
制作年:2004 / 2008
素材:ミクストメディア
サイズ(W×D×H):982×1417×618 cm
ハンス・オプ・デ・ベーク インタビュー(PDF)
インタビュアー : ⾒留さやか ( ⼗和⽥市現代美術館 )
実施⽇ : 2022年8⽉31⽇