ストリートファニチャー
鈴木康広
切り株の上に真っ赤なりんごが7つ。少しずつ大きさと角度を変えながら垂直に連なるその様子は、まるで落下の残像が立ち現れているかのようです。白い切り株にいくつも重なる輪は、木の年輪や水の波紋を思わせます。この切り株は、ここ、十和田市の形が模られています。りんごの落下や、広がる年輪や波紋といった自然の現象に、美術館を中心にアートの連鎖が起こっていく十和田のまちの姿を「見立て」ることができます。
撮影: 小山田邦哉
鈴木康広
アーティスト。1979年静岡県生まれ。2001年東京造形大学デザイン学科卒業。日常の見慣れた事象に新鮮な切り口を与える作品によって、世界の見方を問いかける活動を続けている。ファスナー、ルーペ、鉛筆など、誰しもが慣れ親しんできた工業製品を独自の視点で捉え直し、水や空気、重力といった自然現象を詩的に捉え直す作品を数多く制作している。代表作に《まばたきの葉》、《ファスナーの船》、《空気の人》など。公共空間でのコミッションワーク、大学の研究機関や企業とのコラボレーションにも取り組んでいる。武蔵野美術大学教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。
制作年: 2020
素材: FRP・鉄・ステンレス
サイズ(W×D×H): 293×399×300 cm
【げんびサポーター(ボランティア)限定トークイベント】
鈴木康広《はじまりの果実》
2023年8月16日 収録