美術館
マイケル・リン
カフェの床には、色とりどりの花柄を組み合わせた絵画が、じゅうたんのように広がっています。パッチワークのようなこの作品は、古布を裂いて新しい布を織る、十和田の伝統工芸「南部裂さき織おり」に着想を得ています。美術は高尚なものではなく、日常の中に存在するものと考えるリンにより、人々が交流し新たな関係を織りなす空間にふさわしい作品が生み出されました。
撮影:小山田邦哉
マイケル・リン
1964年東京生まれ。アート・センター・カレッジ・オブ・デザイン(アメリカ)で学ぶ。ブリュッセル(ベルギー)、上海(中国)、台北(台湾)在住。マイケル・リンは見る対象としてではなく、長く身を置くことができる空間としての絵画を目指し、公共空間としての巨大な絵画インスタレーションを生みだす。彼の作品は伝統的な台湾のテキスタイルのパターンやデザインを流用している。主な展示として、パレ・ド・トーキョー(パリ、フランス、2003)の展示、個展「Michael Lin」(セントルイス現代美術館、アメリカ、2004)など。
制作年:2008
素材:アクリル塗料
サイズ(W×D×H):893×1314 cm
インタビュアー: 中川千恵子(十和田市現代美術館)
実施日: 2024年1月31日