美術館
ラファエル・ローゼンダール
What you have あなたが持っているもの
What you want あなたが欲しいもの
What you need あなたが必要なもの
本の見開きページのように描かれたパステルカラーの色面に、3行の短い詩が並んでいます。
ローゼンダールは松尾芭蕉の俳句「古池や 蛙飛び込む 水の音」を読み、色あせない言葉の力に強く引かれたと言います。限られた文字数で豊かな情景を表現する日本の俳句をもとに「Haiku」シリーズとして制作された本作は、シンプルな言葉の連なりであるがゆえに、見る人それぞれのイメージを喚起させます。
2018年に開催した企画展「ラファエル・ローゼンダール: ジェネロシティ 寛容さの美学」で展示された作品です。
ラファエル・ローゼンダール
1980年オランダ生まれ/米国在住。インターネット・アートの代表的存在。シンプルな造形と動き、象徴的な色彩、遊び心に満ちたプログラム映像とインタラクションをウェブ上で発表し、それらを用いたインスタレーションや、絵画、タペストリー作品などを現実の展示空間でも展開してきた。ヴェネツィア・ビエンナーレをはじめとする世界的な国際展への出品、またポンピドゥーセンター(パリ)、ステデリック・ミュージアム(アムステルダム)等、著名な美術館での展覧会多数。中でも、2015年のニューヨーク、タイムズ・スクエアの電光掲示板を使ったインスタレーションは特に有名。日本との関わりも深く、2009年にAITレジデンシープログラム参加を皮切りに、Takuro Someya Contemporary Artでの個展(2010、2016、2017)、カルバン・クラインとのコラボレーションイベント(2012)、「セカイがハンテンし、テイク」(川崎市市民ミュージアム、2013)、茨城県北芸術祭(2016)で作品を発表。彼の俳句作品は2013年の展示をきっかけに始められた。
《RR Haiku 061》は、株式会社The Chain Museumの「ミュージアム」の1プロジェクトとして、期間を限定し展示されています。
The Chain Museumは、「リアルとデジタルを相互に駆使し、アートやアーティストが世界と直接つながることを希求する」ことを目的として、2018年に設立されました。主な事業として、鑑賞者ひとりひとりがアート作品の感想を伝え、共有したり、アーティストを直接支援できるアート・コミュニケーションプラットフォーム「ArtSticker」を運営しています。また、さまざまなジャンルのアーティストとコラボレーションし、これまでの美術館の枠を超え、作品を通してつながっていく「ミュージアム」を、オフィスや商業施設、美術館の一角など、日常の中に生み出しています。
※The Chain Museumはこちら。