美術館

闇というもの

マリール・ノイデッカー


作品について

まるで一部を切り取ったかのように、型を取り精巧に現された森。小道や切り株などから人の痕跡が感じられますが、見上げるような高さにあるため全体を把握することはできません。木立を照らす舞台装置のような照明は、自然を見通そうと光を持ち込む人間の欲望を表す一方で、かえって闇の深さを強調するようでもあり、夜の静寂に包まれた森が喚起する畏敬の念を思い起こさせます。人間が風景や自然環境に対して抱く相反する感情を読み取ることができるでしょう。

撮影:小山田邦哉
Courtesy the artist with the kind support of the Forestry Commission, Bedgebury Pinetum, England


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